冷たい彼は旦那さま
不安そうな翼さんの瞳が、私を逃がさない。
「つ、翼!!一人にしないでっ!」
嫌だと言うように、サツキさんが翼さんに抱き着く。
それだけなのに、すごく嫌だった。
「サツキ、とにかく今日は帰って。今日の事はまた今度話そう」
無理やりサツキさんを外に出し、翼さんは私の手を引いて、翼さんの寝室へと入る。
翼さんのベッドは、ダブルベッド。
私が幼いとき一緒に寝た、あの頃と同じベッドだ。
一年と少し住んでて、翼さんの寝室に入るのはこれが初めて。
一年一緒でも、やっぱり知らないことが多い。