おかあさんになりたい。 ~天使がくれたタカラモノ~
それからは毎日、毎日、空を見て過ごした。





すっきり晴れて、優しい空。



もくもくおいしそうにも見える可愛い雲。




何もなくなっちゃった私は毎日、毎日同じソファに座って、同じ場所から。

ただ、ただ空を見て過ごした。








セミの声が小さくなって、空のいろが変わりはじめる。
気がつくと、暑さは残るけど涼しい風が吹く9月の初秋になっていた。





陽はいつもの生活に戻り、毎日残暑の残るなか仕事にうちこんでいた。



世の中は残暑だ、連休だって、変わらない日々が続いている。


近くの小学校は夏休みを終えて、新学期が始まっただろうし、保育園にいた子たちは運動会間近だ。



何もかわらない。

いつもの9月の風景。




変わったのは私だけ………




私だけ置いてきぼりだよ………




9月になっても、私はあの8月の日から歩き出せていなかった。

赤ちゃんを見送った後、外に出るのもいやになり、1週間以上家の近所でだけ過ごした。






買い物にいけば、赤ちゃん連れの家族に落ち込み、テレビをつければ赤ちゃんのCM………





笑える日がなかった。


何もかもがイヤで、イヤと思うのも面倒くさいくらいどうでも良くて…



笑える日がまたくるなんて思えなかった。


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