おかあさんになりたい。 ~天使がくれたタカラモノ~
「なんで………なんではるちゃん帰っちゃったの?ねぇ、どうして………?なんで私だけなの…?」



いつもの発作。


何度も、何度も同じ言葉を繰り返す。


私は…自分がわからなくなってた。


つらい、つらい、つらい、つらい、つらい……



そればかり。



時折襲う激しい感情は一番側にいる陽にぶつけられた。



ひどいこともたくさん言った…
最低な言葉もたくさん言った………






「陽にはわかんないよ!!陽は痛くもかゆくもないもん!」

「陽は赤ちゃんつくるときだけ頑張ればいいんだもん。簡単だよね、私は…」





本当にサイテーな言葉。


でも止められなかった。






陽はそんな時…いつも怒るでもなく、悲しそうな顔をしてた。


「変わってやりたいけどできないんだよ。麻那がこんなに苦しんでるのに何もしてやれないのが悔しいよ。」

悲しい顔で悲しい言葉。




「どうして…行っちゃったんだろうな…」



小さく呟く陽の言葉を聞いて切なくなる。





苦しんでるのは私だけじゃない。




陽にとっては、写真でしか感じられなかった初めての子。
エコーも見てないし、心音も聞けないまま……2度と会えなくなってしまった。




「パパになったらさ」
「産まれたら……」



楽しみに話してくれた幸せな未来。

陽も悲しみは私と同じだよね。





もう、この人を悲しませたくない…。


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