おかあさんになりたい。 ~天使がくれたタカラモノ~
誕生日。

この世に生をうけた記念すべき日。



私が生まれた日。



いつだか、尊敬する恩師が言ってた。


誕生日は
お母さんがお母さんになった日。
だから、自分を祝うのと一緒にお母さんに感謝しなさい。




ふーん。

ってそれだけ思ってたけど。
今ならわかるよ。


私にとっても、お母さんにとっても大事な大事な日なんだね。






駅に着くと、携帯を確認する。

【ベンチに座ってるよ。】



キョロキョロしながらベンチを探す。





「麻那?」


お母さんが手を振って私を呼んでる。




「お母さん。今日仕事なかったの?」


土日はパートに出てるお母さんに挨拶がわりに聞いた。

プレゼントもらいにきた照れくささもあるし。




「これから仕事なんだよ。元気なの?」


「うん。もう仕事も始めたし。」


私は……まだ赤ちゃんや、子どもを目にしては沈みこんでいた……

こんな気持ちでまだ保育士はできないから、近くのスーパーでバイトを始めていた。




「そう。仕事もやりすぎちゃダメだよ。なんでも程々にしなくちゃもたないから。」

「わかってるよ。」


いつものお説教を受け流すと、お母さんはベンチの下に置いてあった大きな包みを出した。





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