おかあさんになりたい。 ~天使がくれたタカラモノ~
「はな………」

花菜らしい文。また私を怒ってくれるの?









花菜はよく私を叱った。



私と陽が、まだ彼氏彼女だった頃。

私が探り探りで本当の気持ちを言えなくて遠慮ばっかで、悩んでいた頃。




「じゃあ陽くんは、他の子のとこに行っても平気なわけね?私が誰か女の子紹介しても麻那に文句はないわけね。」


「ちが…それはだめだよ。」


「じゃあ、そう言わなきゃ。麻那はちゃんと言葉で言わないから。男の子なんて、気持ちで通じるなんて思ってたら大間違いだからね!」


口調は怒ってるくせに優しい花菜に何度も救われた。
はっきりしない私を何度も怒って、矯正してくれた花菜。






高校生の時はまだ柔らかい心だったから直ったけど。

今の凝り固まって曲がった私の心を矯正するのは花菜でも難しいよ…













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