おかあさんになりたい。 ~天使がくれたタカラモノ~
【麻那。私は麻那とちゃんと話したいよ。私のこと何て言ってもいいから。今の麻那のこと知りたいから。連絡待ってる。】




メールはそこで終わってた。





花菜からのメールは嬉しい反面、痛みも伴った。




花菜や、友達を心配させたままにした私。
不幸の主人公……といわんばかりの振る舞い。



つらいのは仕方ないけど、あまりにワガママだった…



それに気付いてしまった今、私はどうしたらいいのかわからなくなってしまった。





どうして放っておいてくれないの………?
もう私は一人でいいよ…



向けられた優しさに無理矢理気付かされてしまった私は…
どう喜べばいいのか…ただただ混乱してしまった。





哀しみに慣れてしまっていた私には、人の優しさをどう扱えばいいかわからない。



「よりによって…今日は………」




混乱したまま…私は携帯の電話帳からある人の名前を開き、電話をかけた。





「あ…」


勢いでかけてしまったことに一瞬後悔したけどもう遅い。







トゥルル…トゥルル…




呼び出し音が耳に響く…

胸の鼓動も体に響く…



電話するのに緊張するなんて言ったら笑うだろうな。





やがて、電話の向こうから声が聞こえた…




【もしもし…?麻那…?】




私が無意識に電話をかけたのは…花菜だった。






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