おかあさんになりたい。 ~天使がくれたタカラモノ~
妊娠したといっても特に何も変わらない自分の体。


保育士という仕事は、妊婦さんとは毎日のように関わるし、毎月のように
「○○くんの妹が産まれた。」
「○○ちゃんのお母さんが赤ちゃんできた。」
と妊娠に自然に触れていた。


あまりにも自然すぎた妊婦さんとの関わりは私の考え方も麻痺させていた。



保育園の妊婦お母さんたちは当然のようにフルタイムの仕事をこなし、当然のようにその兄や姉の子を抱っこして帰る。


私は知らなかったし、知ろうとしていなかったんだろうな。

妊婦さんがどれだけ大切なものを守りながら生きているのか。

平気そうに見えて、体が心がものすごいスピードで変わっていくストレスと体力と毎日向き合っていること。



ただお腹に赤ちゃんがいるだけ。
大事にしなきゃならないけど病気じゃない普通の状態。

意識はしていなかったけどそんな風に簡単に考えてしまっていた。


だからなのだろうか、しばらくの間は職場でも自分は少しくらい無理したって大丈夫。
健康には自信あるし!
とたかをくくり、危険なこともたくさんしてしまっていた。




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