おかあさんになりたい。 ~天使がくれたタカラモノ~
お……重い………。


いきなりよく考えもせず病院から一直線に母子手帳を貰いにいった私は帰り道に後悔していた。


母子手帳は重くはないものの、母子手帳の他にも雑誌やら、試供品やら、カタログやら…
たくさんの紙がつまったセットを渡されていた。


母親学級のことやら、産後の検診のこと、予防接種のことまで1度に説明された私は病院の疲れもありヘトヘトだった。



……てゆうか、妊婦にこんな重いものいきなり渡すわけ…?



心のなかで文句を言いながらももらった紙袋のマタニティマークを見てニヤける。



妊婦さんかぁ…


赤ちゃんができたことにまだ実感がわかない私は妊婦さんになれたことに喜びを感じていた。


この時の私にはまだ母性というものはできてなかったんだろう。



重い、重いといいながらも本屋に立ち寄ったり、夕飯の買い物をして大荷物で帰路についた。



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