おかあさんになりたい。 ~天使がくれたタカラモノ~
朝の9時前。
産婦人科の受付は、まだカーテンが閉まっていた。


それでも何人かの妊婦さんがソファに座って待っていた。


待ち時間はここから30分くらいかかるかな?
まだ眠い頭で考えながら診察の順番を待つ。




産婦人科医が激減している。


病院に貼ってあった張り紙で知ったことだったけど確かにそうだ。



実際、この地域は子育てに力を入れているのにお産ができる産婦人科は数えるくらいしかない。


しかも産婦人科医は産科、婦人科はもちろん小児科の知識もなければならない。
その上お産がいつ始まるかわからない以上24時間勤務のようなもの。


減っていってしまうというのにはうなずける。


実際、これから何件か産婦人科病院に通うことになるけど、どこも待ち時間は長いし医者は忙しそうだ。

より良い医療の提供のためになんとかお医者さんの負担が減るといいなと思うけど………





待つ間に眠くなり始めた頃、名前が呼ばれ内診、エコーが始まる。




「この前双子かもしれないって言ったんですよね。
1人ですね。
赤ちゃんは元気ですよ。」



良かった…少しだけ心配していた胸を撫で下ろす。
同時に双子じゃないのか~と、ちょっぴりがっかりする。



「う~ん………
飛んだり跳ねたりしました?」



「??」


考えるような唸り声をあげながら先生がのぞきこむ。



「はい?あ、保育士なので体操とか走ったり…」

「ダメダメ…。抱っことかしちゃった?」


「はい。」


「あー…保育士さんか~………」



被せぎみに考えるような声をあげた後、突然の宣告を下す。


「赤ちゃんはまだ小さいんだから大事にしないと。
診断書書くからこれから1ヶ月仕事休んで安静にしてください。」



………………………………え………?





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