少年陰陽師 奥州平泉奇譚
「次の授業は自習だ!緊急に職員会議が入った」

件先生の血の気の失せた顔。


僕はただ事ではないと思い、左手のサポーターを外し件先生の側に寄り、こっそりと陰陽師の術、印を結んだ。

件先生の気を通じ職員室の喧騒が映像化して伝わってくる。

──三年生の藤原基衡が裏山で遺体で発見された


思わず、声が出そうになった。
左手に痺れたような感覚が走り体が震え、思うようにサポーターを着けられない。

まごついていると、冷や汗が滲み目眩がしてきた。

ようよう左手にサポーターを着け、力を封印し正気を保とうとした。


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