少年陰陽師 奥州平泉奇譚
8》牛若丸!?……源義経!!
「八雲 起きて」



僕は身仕度を整え、いつまでも寝ている八雲をゆすった。



が、起きる気配のない八雲に愛憎をつかし、寮を出た。




昨晩、雨の中で聞いた微かな母の声がまだ、はっきりと耳に残っている。




校舎の先に小さく見える桜の木が風に揺れる。




薔薇の木が、複雑に絡まる樹齢数百年の大樹。




以前、僕は「薔薇の木の下には死体が埋まっている」そんな話を聞いたことがある。



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