レディ・リズの冒険あるいは忠実なる執事の受難
 
 こうして、全てを片付けたことを、エリザベスは知っているようだった。病院から戻ってきたエリザベスは、以前とは何かが変わっていた。
 ——いい方向に変わったと、そう言いきることができたならよかったけれど。
 あいにくと、運命はパーカーには微笑んではくれないようだ。
 
 ダスティとの付き合いについては、エリザベス自身思うところがあったようだ。
 花束とメッセージカードを送らせてはいるけれど、彼女自身が病院を訪れるということはない。
 レディ・メアリに呼ばれれば、嫌な顔もせずにお茶に出かけていく。リチャードは時々電話をしあい、それなりに仲良く過ごしているようだ。
 
 安心していいはずなのだ。
 本来なら、安心できる状態なのだと思う。
 エリザベスが突飛な行動を取るのをやめて、社交界に溶け込む努力をしたならば、彼女を受け入れる場所はあるだろう。
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