レディ・リズの冒険あるいは忠実なる執事の受難
「この中に何があるのか見てみたい気もするけれど」
とはいえ、いつまでもこんなところにいるわけにはいかない。エリザベスはそっとその場所を離れた。
さらに階段を下りて下の階へ移動する。こちらの階の扉もすべて鍵がかかっている。
さらに下りて一階へ。使用人の気配などを警戒したのだが、上の階に集まっている人達以外、この家には誰もいないようだった。
この階は生活空間になっているらしい。のぞいた先は台所だ。エリザベスは台所に入り込んで食料品の保管庫を見てみた。
食料保管庫はほぼ空だった。例外は、棚に載せられた紅茶の缶だけ。コーヒーはない。
隣の部屋は物置として使われているようだった。その部屋に入り込み、窓を確認してみれば目立たない位置にある。ここが物置ならば、めったに使われることもないだろう。エリザベスはそっとその窓の鍵をあけた。
がやがやと階段をおりてくる人たちの声がした。エリザベスは、部屋の扉を細く開いて、彼らの会話に耳を傾ける。
「——賢者の石がこれほど素晴らしいものとは思わなかった」
「これなら会費を納めるのも惜しくはないな」
「ほら、そのあたりにしておくんだ。この建物を出たら、この件に関しては口を閉じろ」
とはいえ、いつまでもこんなところにいるわけにはいかない。エリザベスはそっとその場所を離れた。
さらに階段を下りて下の階へ移動する。こちらの階の扉もすべて鍵がかかっている。
さらに下りて一階へ。使用人の気配などを警戒したのだが、上の階に集まっている人達以外、この家には誰もいないようだった。
この階は生活空間になっているらしい。のぞいた先は台所だ。エリザベスは台所に入り込んで食料品の保管庫を見てみた。
食料保管庫はほぼ空だった。例外は、棚に載せられた紅茶の缶だけ。コーヒーはない。
隣の部屋は物置として使われているようだった。その部屋に入り込み、窓を確認してみれば目立たない位置にある。ここが物置ならば、めったに使われることもないだろう。エリザベスはそっとその窓の鍵をあけた。
がやがやと階段をおりてくる人たちの声がした。エリザベスは、部屋の扉を細く開いて、彼らの会話に耳を傾ける。
「——賢者の石がこれほど素晴らしいものとは思わなかった」
「これなら会費を納めるのも惜しくはないな」
「ほら、そのあたりにしておくんだ。この建物を出たら、この件に関しては口を閉じろ」