レディ・リズの冒険あるいは忠実なる執事の受難
後悔してもしきれないのは
 パーカーの言うことがもっともであることをエリザベス自身よくわかっていたのだった。

「……時計を取り戻せただけよかったわ」

 懐中時計を開いてエリザベスは中におさめられている写真を見つめた。この写真がなくなっていたらどうしようかと思ったのだけれど。

 おさめられていた写真は、ラティーマ大陸に行く直前のエリザベスと、当時執事見習いとして勤め始めたパーカーだった。

 幼い頃から側にいてくれて、勤め始めるまでは当時の執事だった父親に言われてエリザベスの子守りをしてくれていた。

 こんな風になる前の——無邪気な子どもでいられた頃の最後の記憶、その証拠の写真。

「……ごめんなさい」

 写真を見つめてエリザベスはわびる。

 彼がエリザベスの初恋の相手であることなんて、パーカーは知らない。

 彼の存在が、暗黒大陸と呼ばれるあの大陸での厳しい生活の間、ずっと支えになってくれていた。

 エルネシア本国に戻ってきてからは、側に置いておくことはできなかった。無邪気な子どもではない。いくら焦がれたところで、どうにもならないということくらい理解できる。

 だから想いとともに、屋根裏部屋に封じ込めた。美術品を管理できるように改造したあの部屋の引き出しの中に。

 懐中時計を閉じて、それを机の上に置いた。

 明日の朝になったら、パーカーにわびてそれからヴァルミア伯爵家に身をよせよう。愚かな自分を戒めるために。
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