オレンジの片想い

蒼真はなおも驚いた顔のまま、わたしをまっすぐ見つめる。



「これ...」


「もう解るでしょ?」



その紙切れはただの名刺。

だけど、そこに表記されている社名は。




___________木山写真館。




「お前の彼氏って、」


「うん、陽翔だよ」




蒼真が驚くのも無理はない。わたしが今、陽翔と付き合っているって、わたしたちの高校時代を知っている者に言えばみんな驚くだろう。現に、既に知っている咲歩と月菜、ひなせちゃんはすごく驚いていたから。

わたし自身も、こんな未来が待ってたなんて思ってなかったし。



「いつから?」


「成人式で再会して、それから。何度かふたりで飲みに行ったりしてさ」



ずっと専門学校で写真の勉強をしていたわたし。そんなわたしの話をよく聞いてくれていた陽翔。

そこで、写真館を継いだ彼が、うちでバイトしないかと誘ってくれた。


今ではわたしの職場となっている。

愛しい人と共に、そこで働いているのだ。
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