白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】
「壱星、お前のおばあさん? すごい人だな」
こそっと言うと、壱星は渋い顔をした。
「いや、俺の祖母ではなくてうちに縁のある家の人なんだけど、祖父が子供の頃からお手伝いさんみたいなことをしている」
「マジ? 壱星に言い勝つってすごいなって思って見てたんだけど」
おばあさんではないのか。
「祖父も頭があがらない。ついでに年齢は俺も知らない」
「へえ……」
こんな家にもなると、お手伝いさんとかいるんだねえ。
「ふーっ、私も帰る」
刹那が出て来た。