白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】
「勿論、理波ちゃんは厳しく育ててくれたので、俺は泣くことも悔しく思うこともありました。
でもそれは自分自身に対して抱く悔恨でした。
学校に入って、誰かにいらついたり、淋しく思ったり、するようになりました。
それでもまだ、親に対してそう思うことはなかった。
俺は、あの人たちに思うことが何もなかったんです」
「………」
「壱星が、賭けてくれた三日。何も変わらなかった。
空っぽの家に行って思ったのは、『どうしてこんな人たちが理波ちゃんの親なんだ』……それだけでした。
それ以上は、なかった」
「………」