白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】
「バカなくらい、あの人たちが道ですれ違う通行人と、肩の接触もしないで行き過ぎる人たちと変わらなかった。
……やっぱり、変ですよね」
「……ああ、変だ」
下手な慰めをされなかった。
それが、救いだった。
家の環境は、刹那や壱星には話した。
でも、それへの自分の思いは打ち明けたことはなかった。
「理波くんも、そうなのかな……」
「………」
わからない。
理波ちゃんと俺では、違いすぎるからわからない。
「……理波くんも雅風くんも、壱星の両親については何も訊かないな?」