白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】


言葉並びからして、壱星の母親に向けられる言葉は総て過去形だ。



「いない、と言うか……捨てられたんだ、あの子は」



「捨て……」
 


壱星が? その言葉と繋げる作業が頭の中で上手くいかない。



噛み砕くのに相当の時間が要った。






「壱星を育てていけないと思い、私のところへ連れて来た、そして……相手と二人、心中した」




「――――」
 



しん、じゅう……?




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