白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】
明くる土曜日、大学の教授室に行ってわかった。
この人は――もうこの人って言っちゃうけど、激しく整理整頓が苦手な部類だった。
前提、出来ないタイプの人なのかもしれない。
教授室は、本や原稿用紙やお茶の道具や、学生たちと撮った写真やとにかく一般生活におけるいろいろなものが床と机と本棚と関係なく散乱していて、
教授は七十の年齢に見合わない軽い足取りでステップするように、わずかに空いた隙間を辿って自分の机まで向かった。
俺もさすがに言葉を失った。
「へー、滝篠くんのお祖父さんだからもっと厳格な人かと思った」
話を聞いた刹那の感想だ。