白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】


「でも、怖さもある。自分も、母と父の血を継いだ自分が、同じことをしないか――淋しい生き方に、理波を巻き込まないか……。

理波を幸せにするって誓えるのに、同じだけ不安にもなる。……だから、お前たちの両親に、望みを賭けた」
 


吐露した本音。


こいつ、滝篠教授にもこんなことは話していないだろうな。



勿論理波ちゃんにも、言えない。
 




ありがとな、話してくれて。




「……ばっかじゃねえの」
 


俺はわざとらしく息を吐いた。



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