白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】
「何、上客って」
「いつもたくさん借りてってくれるから、上客。ちなみに放課後の上客は雅風だから」
「いつの間にそんなカテゴリーに⁉」
得も言われぬ括りに反射的にツッコんでしまった。
愛璃は《上客》を見ていてマル無視。
……少し淋しいような……。
入ってきたのは滝篠だった。
何となくわかっていたように、やっぱりなと思う自分がいる。
何か探しているのか、ぐるりと入口から室内を見回した。