白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】


更に沈黙を重ねてしまう。



どんどん段ボールが出て来る。

どんどん段ボールが出て来る。



お前これ、どこに隠していたんだよ。




「……どうすればいいのか、教えてくれ……」
 



たぶん滝篠、引き受けたこと後悔しているんじゃないかな……。



俺も後悔しかけているから。


語気が弱弱しいし。
 



愛璃から一通りの手順を聞いて作業に取り掛かる。




「じゃあ私、本出してくるからもうちょっとそっちお願いします」
 



愛璃が逃げた。
――わけではなく、滝篠の素早い作業でシールを貼った本が多くなったので、棚に収めている奴らに渡しに行ったのだ。
 



作業のため、視線を落としたまま口が開かれた。




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