恋じゃなくてもイイですか?
テレビの前に並ぶデブ猫「ミーちゃん」(今ではすっかりこの頃の体型に戻りました)の写真や、壁に並ぶ「やにれ荘」の歴史写真の数々を興味深そうに眺めている。
私はハルニレのお手伝いに回り、ミルクと砂糖を用意する。
コーヒーの香ばしい匂いが食堂に広がると、ハルニレがカップを並べたお盆を、食堂の真ん中にでんと置かれた大きな木のテーブルに置いた。
確かハルニレのお婆さんから貰ったクッキーがあったはずと私は戸棚を物色した。
「お、いい匂い」
香りにつられて桐生くんが食堂に入って来た。
「さぁ、お茶にしましょう」とハルニレがそれぞれのカップにコーヒーを注ぐ。
「遥くんはコーヒーにミルクと砂糖は入れる?」
ここがチャンスと言わんばかり、笑顔を向けて遥くんに訊ねる。
壁に並ぶ額に飾られた写真を見上げていた遥くんは、こちらを一瞥すると眉間に皺を寄せた。
そして当然のように無視をする。
「何で?私、何か嫌な事した?」腑に落ちない表情をしていたのを察知したのか、桐生くんがフォローに入る。
「遥、訊かれたんだから答えろよ!ごめんね、奏ちゃん。あいつ、人見知りなんだ」
「人見知り……」