恋じゃなくてもイイですか?
耳元で囁くように告げると、ミーちゃんは耳はぴくぴくと動かし、小さく鳴いて返事をした。
猫だって、返事はしてくれるのに……溜息を吐き、カバンを手にして立ち上がる。
顔を上げた先、キッチンの入り口にもたれかかった遥くんと再び目が合う。
マグカップを持っていた。
カップの中にはティーパックが浮かび、注いだお湯の湯気が立ち上っていた。
アールグレイの匂いがここまで届く、遥くんは冷めた視線を私に送っていた。
「___私はいい人ですってわざとらしい笑顔を浮かべて近寄ってきて、自分の思った通りにならないと不満足そうな顔してさ、私は間違ってない相手が悪いって、自己防衛のつもり?全てが自分中心に回ってるって思ってんの?」
初めて聞く遥くんの声は、思ったよりも低くて、落ち着いていた。
その、何を考えているのか全く読めない表情に、よく合っている。
淡々とした口調に眉間に皺がよる。
「違う、何言ってるの?」「私、別に何もしてないじゃない」反論したかったけれど、言葉は口にする前にどこかに消えて行った。
余計な一言はポロリと出るのに……遥くんを見る。