黒薔薇~美しき欲望~






結局組員を丸め込んで、いそいそと冬夜に無断で繁華街へと向かった。







車が通れないところギリギリのところで、ようやく車から降りた。








2人、あたしに護衛が付く。








あたしの胸を見て赤面していた男は車を運転しているので、別の人を二人呼んだ。








こんな女の護衛なんてさせられて大変だな、って自分でも後ろの二人に同情する。






少し苦笑しながら一人、前を歩き始めよう____としたけれど。







目の前にはもう既に人だかりが出来ていた。








……早いって。









こそこそ、ざわざわ。








色んな声が聞こえる。








「………あのさぁ、あたし…通してくれる?」









でもあたしの言葉でしーんとするこの場。







ここでは誰も、あたしに口を出せない。







ほっとして綺麗に人が避けて出来た道を通ろうとしたとき…。








「………悪魔は?」








誰かが、ポツリと呟いた。







………喋っちゃったらダメじゃん。







声のした方を向くと、明らかに一人顔をこわばらせている女がいた。






……高校生?







制服を着ている。







へぇ、珍しい。







そこらへんにいるヤンキーみたいに金髪でもないし、ギャルとは思えない。







普通の女子高生。





でも“悪魔”を知っているのか。







「……悪魔はねぇ、今……何してんだろ」







クスリ、と微笑めばカッと真っ赤に染まる女子高生の頬。







それは単にあたしの破壊力抜群の笑みのせいか、何か悔しいことがあるのか。









「じゃーね。学校、サボりはだめよ?」







もう一度女子高生に微笑んで開けた道を通った。






……うん、やっぱり露出は効果抜群。







チラチラと視界に入る男たちはみんな同じようなだらしない顔してる。







あたしはもうさっきの女子高生のことなんて忘れてしまっていた。









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