黒薔薇~美しき欲望~
そしてショッピングモールに行くと、特に買うものもないのでぶらぶらしていた。
まだ冬夜からの連絡はない。
歩くたびに、コツコツと高いヒールの音が響く。
周りは、やっぱり静かだ。
でもそんなとき……。
「「キャーーーっ」」
遠くで何か歓声のようなものがあがった。
………え?
何?
誰?
ずっとあたしの後ろにいた護衛は、直ぐにあたしの横についた。
ここらへんで騒がれるやつらは多い。
イケメンはとにかく無条件に騒がれる。
若がしらだって、ホストだって、暴走族とかだって。
でも、その分めんどくさいのが多い。
組関係とか最悪。
せめて組関係なら西か東だと願う。
北と南…とくに南は、そこまで若がしらの顔があたし好みではないし、そいつだけ結構年とってるので一度も選んだことがないから、あまり交友的ではない。
北は大好きな婚約者がいるそうで、そもそも若がしらを見たことがない。
そして、悲鳴は近くなる。
それに従ってあたしが通る時みたいに道が出来る。
……さぁ、誰だ。
腕を組んで相手の登場を待つ。
もしあたしに害を加えるような人間なら、ここにいさせるわけにはいかない。
さっさと潰さなければ。