黒薔薇~美しき欲望~
そして三人と護衛と、ショッピングモール内にあったカフェへと入った。
「あたしの奢りでいいから、好きなもの頼んで?」
護衛は少し離れたとこに座り、あたしの目の前に表情が固い三人が腰掛けた。
「いや、でも……」
「いいの、奢らせて?時間取らせちゃってるし」
そうにっこり微笑めば、ふいっと三人とも視線をそらす。
それもそのはず。
あたしより背の高い三人だから、座ってもあたしは上目遣いになって。
しかも軽く頬杖をついている。
店の照明が良い感じにあたしに当たっていて、見えている肌を際立ててるし。
今のあたしは軽く最強。
高校生なんて、族に入ってようが何してようがチョロい。
そして店員を呼び、あたしは紅茶を頼んで三人はコーヒーを頼んだ。
直ぐにそれは運ばれ、一口だけ口をつけてカチャリと置く。
「……あたしのことは、知ってるのよね?」
「…そりゃ、まぁ」
「ふふっ。ならあなたたちのこと、少しでいいから教えてくれる?」
「…俺らは、狼翔の幹部です。俺が総長してて、奥野って言います」
「え、奥野くん、総長なの?」
「…はい、まぁ」
すごーい、なんてキャッキャ言いながら笑ってると、あたしから見て右隣の男が強く睨んでくる。
…警戒されてるな、これ。
ちなみに奥野くんは真ん中。
全部彼が質問の受け答えをしてるから、なんとなく一番偉いんだなってことは分かった。
「キミは?」
そしてあたしを睨んでる右隣に視線を向ける。
その途端に笑顔になる彼。
いや、バレてるから。
「市川って言います。で、もう一人が大野です」
「市川くんと、大野くんね〜。よろしくっ。あ。あたしはサラだから」
………さて、どうしようか。
会話が何も思いつかない。