あの日、君に伝えたかった




★夜斗side★



目の前に、ボクの愛しい人がいる。



これほど幸せなことはないだろう。

この笑顔を独り占め出来るんだから。




槇野芽衣さん。

この世で最も美しく、可愛く、ボクが愛してやまない人。




しかしメイさんを愛するのはボクだけ。

ボク以外許されない。

ボクだって、メイさん以外愛されないし、愛されたくもない。




メイさんは、孤独な人だ。





メイさんのご両親は、メイさんを見捨てた。





ご両親は有名大学を首席で卒業したエリート。

そもそも槇野家自体、エリートだらけ。



だからメイさんも、槇野家に恥じない人になるよう、幼いころから教育されてきた。

他の人と同じではいけない。

異常者を褒め言葉だととりなさい。


それが当たり前の生活。




幼い少女にとって、それは窮屈以外の何物でもない。





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