あの日、君に伝えたかった





それからというもの。


私は一日中何もせずに、夜斗と過ごした。



夜斗の話は面白くて、私は凄く笑った。

笑いすぎて、涙が出たほどだ。



夜斗といるだけで、私はほっとした。

頭をなでられると、凄く安心する。



「夜斗、私夜斗がいるから今幸せだわ」

「そう言ってくれると、ボクも嬉しいです。
愛していますよ、メイさん」



私は時々、テレビをつけた。

ニュースをよく見た。



もしかしたら、私の捜索願が出ているかも。

あの両親も、私のこと探してくれるかも。

夜斗といるのは勿論幸せだけど、こんな狭い所でなんて、少しだけ気が狂いそう。



私は普通の人と違うらしいけど。

今は正常なんだから。

戻りたいという気持ちがあるの、少しだけ。




でも、ニュースは政治のことばかりで、私のことなんて取り上げていなかった。





一度だけ、夜斗に頼んで、私の捜索願が出ているか調べてもらった。

夜斗は実力も経験もある、ハッカーらしい。

夜斗は警察のパソコンにハッキングし、情報を調べた。





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