擬態化同盟 ~教師と生徒の秘密事~
「見過ぎじゃない?」
さっきの眩しさ全開の笑顔はどこへやら。
結城君は扉を腕で押し開けた状態で、皮肉るような笑みを口元に貼り付ける。
「彼女とそういうことするなら、一目のつかないところでやりなさいよ」
「彼女じゃないけど」
「じゃあ、誰だって言うのよ」
「知らない。アミって言ってた」
「・・・意味がわからないんだけど」
「逆ナンしてきた女がどこの誰かなんてどうでも良くない?」
悪びれも無く、キョトン顔の結城君が得体の知れない異性物に思えてきた。
「わかりやすいドン引き」
「ふ、不純異性行為っ!」
「先生、オヤジみたい。不純異性行為は許さんぞ、って?」
腹が立つことに、結城君はいつものように私を馬鹿にして憎たらしい顔で笑っていた。
「それとも、さ」
結城君が廊下に出て来ると、ゆっくりと扉が後ろで閉まっていった。
スエットのポケットに手を突っ込んで、私の前に立つと、そのまま屈んで首を傾げ、私の顔を覗き込んだ。
「ほんとは興味ある?」
さらり、と落ちる結城君の栗色の髪の毛が涼しげな瞳に垂れかかる。