擬態化同盟 ~教師と生徒の秘密事~

「あっ、あるわけないでしょ!!」

心が波打ってしまったことを必死に隠したいがために、出した声が上擦った。

おまけに、私が大事に作り上げてきた衣装が入ったバックを結城君の腕を打つ道具として使ってしまい、慌てて中身の確認をする。

「あ、コスプレ衣装だ」

「ぎゃあっ!?」

私と一緒にバックの中を覗き込んだ結城君は無邪気に笑ってみせた。

慌てて背中に隠したけど、結城君が愉快そうにしている顔でその行動が、いかに無意味なことか思い知らされる。

「面白そうだね」

「そうでもないよ」

結城君の笑顔に負けじと、私も作り笑いを浮かべて対抗する。

「俺、今日は特別暇なんだよね」

「あら、そう。勉強日和ね」

「学年1位の俺に勉強日和?必要ないね」

「過信はいけないと思うんだけど?向上心は常に持ってないと」

「好奇心に対する向上心は認めてくれないの?」

一歩も引かない結城君を見ると、もしかして、ついて来ようとしてる?

そんなことは絶対阻止!!

腹の中真っ黒な結城君を言いくるめられないと悟った私はベタに「あっ!」と大声で明後日の方を指差して踵を返して走り出した。

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