オリのナカのヒメ
手を動かし始めたのとほぼ同時に、校内放送がかかった。
梓《2年1組の三咲、三咲琴乃、至急生徒会室まで来い。》ブチッー。
…最悪。
しかも何で私だけ?
てか、
『誰が行くかっつーの』
「って言うだろうなって思った!三咲さん、行くよ〜?」
と言いながら、高崎亮が教室に入ってきた。
『…何故あなたがここに?』
亮「だーかーらー!迎えに来たの!」
…ほんと最悪だわ。
私は仕方なく腰をあげた。
『…生徒会長のお呼びだしですから。行きますよ?ちゃんと』
私はにっこり微笑んでから、教室を出た。
亮「じゃあ僕はここまでだから!またね〜!」
生徒会室の前についた途端、高崎亮は私を置いて行ってしまった。
何故…?と思ったけど、まぁ気にしないことにしよう。
ーコンコン。
『失礼します。2年1組の三咲琴乃です』
「どうぞ」
静かにドアを開ける。
中には、生徒会長の姿はなく、代わりに山野響夜だけがソファに優雅に座っていた。