無口な同期とイチャラブ♡オフィス


……なんだろう?何か、言いたそう。

そう思って優吾の瞳をもっと覗き込もうとした時。


「専門部の人に感謝するのはいい事ですけど、入社して3ヶ月経つんですから、もう少し自分の知識も磨かないとね」

「わぁ!野瀬さん!」


いつの間にか事務所にやってきてた野瀬さんが、私の後ろからごもっともな声を掛けてきた。ビックリしたー。


「西島さん、カラキ木工のは風間くんに任せて、あなたは他のメーカーへファックスを送っておきなさい」

「あ、そうですね!さっそくやります!じゃあ風間くん、そっちは宜しく!」


熱弁を奮うあまりすっかり作業の事を忘れていた私は、慌てて書棚にファックス用紙を取りに行った。


最後に振り返ったとき優吾はちょうど事務所を出て行く所で、結局あの瞳が何を言いたかったのは分からず終いだった。

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