今さら恋なんて…
「…忘れ、てた…と思った…のに…」
「……」
「…あの人の…好きだっ…たカクテル…見るだけで涙が出る…」
「……」
「ただ…自分の、中に閉じ込め…てただけだった…」
「……」
「あの人は…あたしの中に、ずっと…居て…出て行ってくれないの」
「……」
「あたし…ほん、とに…好き…だったのに…」
「……」
肩を震わせるあたしに、龍哉は至極優しい声で、
「…話、聞きますよ…全部、吐き出してください…」
って囁いて、あたしの背中を柔らかく撫でてくれた…。