今さら恋なんて…



テキーラにホワイト・キュラソー。酸っぱいグレープフルーツジュースと赤くて甘いグレナデンシロップ。


それをシェークした後、氷の入ったオールドファッション・グラスに注ぐ。


「お待たせ。“アイス・ブレーカー”だよ」

マスターのごつごつした指がグラスをシゲハルに差し出した。


「サンキュ」


「…ねー。何でいつもそれ飲んでるの?」

あたしは壁にもたれて座りながら、そうシゲハルに訊いた。


「ん?…んだよ、聞いてなかったのかよ。お前を口説くためだろー?」

シゲハルはそう言いながら、黒いストッキングに包まれたあたしの太ももをペチンと叩いた。


「セクハラ親父」


「あ?“触ってください”とばかりに短けぇスカートで来てる方が悪いだろ」



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