今さら恋なんて…
「俺と居る時のお前が和んでくれたら嬉しいと思う…」
シゲハルは至極真面目な顔をして、カクテルを飲んだ後、ぐいっ、とあたしに近付いて…顔を寄せてきた。
「……」
「…避けねぇの?」
鼻が触れ合いそうな距離で訊かれる。
「…そろそろ引っぱたこうと思ってた」
「…そっか。じゃぁ、やめとくか」
少し甘い香りを残して、シゲハルの顔が離れていく。
「…他の女と遊んでる、なんて知ったら奥さん悲しむよ?」
あたしは仕切り直しの様にワインを飲むと、シゲハルを見た。
「あ?奥さんなんて居ねぇよ?…結婚してるなんて言ったっけ?」
「…あんたの年で結婚してないとかおかしいと思うけど…」
「じゃぁ、俺と結婚してくれよ」
「…言うと思った」