今さら恋なんて…
「…んー。まぁ…そんな感じかな」
「はっきり言いなよ」
「言っていいのかよ」
シゲハルはそう言って笑う。
「は?」
思わず怪訝な顔をすると、
「…酔ってるつーは余計に可愛いから間違って食っちまわないようにしてんだよ。分かんねぇ?」
って、シゲハルはあたしの顔色を伺いながらそう言って笑う。
「……」
思わず目を見開いて驚いていると、シゲハルの背中側に居たカップルも、恥ずかしそうに頬を赤くしているのを発見してしまう。
「は、恥ずかしいからそんなこと言わないでよっ」
「は?つーが言え、って言ったんだろ?」
「セクハラ親父が」
「うるせぇなぁ。酒が温くなるから早く飲めよ」
シゲハルはぶつぶつと文句を言うと、あたしのカクテルグラス指さした。