今さら恋なんて…



「…お前、昨日…俺の前で全裸になった」


「は?」


「ウチに着いた途端、“風呂貸せ”って、俺が準備する間もなく…玄関で…」


「は?何、冗談言ってるの?」


あたしには“酔っ払って脱ぐクセ”なんてない。


シゲハルが嘘吐いてるに決まってる。


「冗談じゃないし。玄関で靴から1個1個、俺に見せつけながら脱いでったぜ?」

シゲハルはその様を思い出す様に、服を脱ぐ仕草をしながらあたしに説明した。


「……」


「んで、全裸になって風呂入ってって…俺の“シャツ貸せ”ってせがんで…“髪乾かせ”って俺の言葉も聞かないで、ご機嫌なまま俺のベッド陣取って速攻寝た」

シゲハルの口から全てを聞き終わったあたしの顔からは、さぁっ、と音を立てそうな勢いで血の気が引いた。


頭の中で、酔っ払ったあたしがシゲハルに見せつける様に髪を掻き上げ、腰をくねらせながら服を脱いでいく映像が流れる…。


誰か、嘘だって言って…。



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