今さら恋なんて…
「ああ。つーか、頭ボサボサだぜ?だから乾かして寝ろ、って言ったのに」
ゆったり歩きながらあたしに近付いて、ペットボトルを渡したシゲハルは、その長い指であたしの髪をそっと撫でた。
「…シゲハル」
「ん?」
シゲハルはローテーブルに置いてあったタバコをくわえる。
「…昨日…ヤった?」
「…ぶっ」
シゲハルはマンガみたいに豪快に吹き出した。
シゲハルの口から発射された火の付いていないタバコが、壁に当たって床にぽとりと落ちる。
「…きたな…」
「お前が変なこと言うからだろ?」
「…んじゃ、ヤってないんだ」
「当たり前だ、バカが」
「…んじゃ、何であたし、こんなカッコなの?」
「……」
シャツを指さし、首を傾げるあたしに、シゲハルはその頬を赤くして黙り込む。
「?」