今さら恋なんて…



「そんなんじゃないわよ」

思わず刃向かってしまった。


まだシゲハルには本心を打ち明けられない。


シゲハルのことだって、色々聞きたいけど…聞いたら聞いたで、

「俺に興味あるんだ?」

とか言われるに決まってる…。


はぁー。

ただでさえ、シゲハルの前でシラフで居ることが恥ずかしいって言うのに…。


それにしても、ホントにあたし、接客業に就いてる人間なんだろうか…。


仕事を離れると、余計なこと色々考えすぎちゃう…。


「…つー?」


「……ん?」


「トースト冷めるぞ」


「…ん」

あたしは促されるままトーストに齧り付いた。


ふわりと香ったバター。


パンも外はカリッと中はふんわりしてて美味しい。



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