今さら恋なんて…



「…冷てぇなぁ…つー」

ぐびぐびとスプリッツァを飲んだあたしに、シゲハルがそう呟く。


「は?冷たくないし」


「冷てぇよ。…ほら、口開けろ」

シゲハルに言われるまま口を開けると、殻を剥いたピスタチオが放り込まれる。


「……」


「拗ねながら餌付けしてるし…。そんなんじゃ、つーちゃんは墜ちないぜ?」

マスターはケラケラと笑って、あたしがいつも注文する、チーズの盛り合わせを目の前に置いてくれた。


「……」

ポリポリとピスタチオを噛み砕いていたあたしは…1人、ドキドキしていた。


冷静を装わなきゃ…。

こんなんでドキドキしてたら笑われる…。


でも、今日1日で、シゲハルの“レディーファーストっぷり”を何度となく見せつけられてきたから…色々ヤバイのに…。


単純なあたしは…女の子扱いに弱い…。



< 163 / 479 >

この作品をシェア

pagetop