今さら恋なんて…



「あ?どーせ、お前は“アイス・ブレーカー”だろ?」

マスターは冷たく言うと、シゲハルの前に小皿に盛られた殻付きピスタチオと、“アイス・ブレーカー”を差し出した。


「……けっ」

ふて腐れてピスタチオを剥き出すシゲハル。


シゲハルの態度が面白くて、思わずニヤニヤしていたところに、

「つーちゃん、お待たせ」

って、スプリッツァと、小皿に盛られたレモンが出される。


「ありがと、マスター」

あたしはお礼を言うと、スプリッツァにレモンを搾った。


「いただきます」


早速口を付けようとしたあたしに、

「おいおい。乾杯しようぜ、つー」

って、シゲハルがまた拗ねる。


「……乾杯」

あたしはひょい、とグラスを掲げてそう呟いた。



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