今さら恋なんて…
今の中途半端なままで居た方が2人のためにはいい。
絶対そう。
シゲハルに…失望されたくない。
…あたし、シゲハルが思ってるような女じゃないから…。
「せっかく口説いてやったのに、何だ。つーはつまらない女だったのか」
なんて…シゲハルに思われたくない…。
「…聞いてるのか?司」
いきなりそう声を掛けられて、あたしは、はっ、と顔を上げた。
目の前には怒った様な顔をした…彼氏。
シゲハルのこと深く考えたくなくて…ついつい付き合うことになってしまった、友達の友達…である。
「…ご、ごめん。…何だっけ?」
「…ったく…聞いてなかったのかよ。旅行だよ。土日、休み取れるんだろ?」
彼氏は旅行のパンフレットをひらひらさせながら、そう文句を言った。
「……」
それは…。