今さら恋なんて…



今の中途半端なままで居た方が2人のためにはいい。


絶対そう。


シゲハルに…失望されたくない。


…あたし、シゲハルが思ってるような女じゃないから…。


「せっかく口説いてやったのに、何だ。つーはつまらない女だったのか」

なんて…シゲハルに思われたくない…。


「…聞いてるのか?司」

いきなりそう声を掛けられて、あたしは、はっ、と顔を上げた。


目の前には怒った様な顔をした…彼氏。


シゲハルのこと深く考えたくなくて…ついつい付き合うことになってしまった、友達の友達…である。


「…ご、ごめん。…何だっけ?」


「…ったく…聞いてなかったのかよ。旅行だよ。土日、休み取れるんだろ?」

彼氏は旅行のパンフレットをひらひらさせながら、そう文句を言った。


「……」

それは…。




< 167 / 479 >

この作品をシェア

pagetop