今さら恋なんて…



「……」


ん?

何か…今、あり得ない言葉が聞こえた様な…。


「まぁまぁ、中島さん。佐々木社長が綺麗なものが好きって言うのは我々も存じていますから…。それに、商談はもう済んでいますし…」

シゲハルの向かいに座っていたスーツの男性がにこやかに笑いながらそう言ってコーヒーを飲んだ。


「…と言うか、あの女性、佐々木社長のお知り合いなのでは?」

もう1人の商談相手が、あたしを振り返りながらそう言った。


「…ん。そうなんですよ。懸命に口説いてる最中なんです」

シゲハルはタバコを吸うと、紫煙を吐き出しながらそう呟く。


「!」


またこの親父、余計なことを…。


「なるほど。それでさっきからずっと視線が僕らの後ろに投げられていたんですね。…正直だなぁ、佐々木さん」

「そうですよね。道理で商談が終わっても席を立たないはずだ」

商談相手はくすくすと笑い合い、コーヒーを飲んだ。



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