今さら恋なんて…
「おはよう」
もう何度開けたか分からないドアをくぐると、
「おはようございます」
「おはようございます」
ってスタッフ達の声が返ってくる。
あたしは休憩室に荷物を置くと、髪を梳かそうとブラシを手に取った。
が、
「店長。オープン初日なんですから、俺がブローしますよ」
って背後から声を掛けられる。
「……おーちゃん」
振り返った先に居た央輔。
そう。
今日、このお店“debuer”はオープンする。
結局この日まで…あたしは仕事に全力疾走だった…。
「セット面座ってください。準備はしてありますから」
央輔はそう言って笑うと、あたしを促した。