今さら恋なんて…



「ありがとうございました」

お見送りのためにドアを開けたあたし。


「また来ます」


「はい。ありがとうございます」

お客様を見送って、純香と一緒に姿が見えなくなるまで頭を下げた。


「ふぅ…」


思わず息を吐くと、

「今のうちに休憩した方がいいですよ、店長」

って、純香が時計と予約表を交互に見た。


「うん…そーする」

あたしはそう頷くと、休憩室に入っていった。


カチッ

タバコに火を付け、吸い込んだ紫煙を吐き出す。


「……」


あー、想像以上に忙しいなぁ…。


ありがたいことなんだけど…スタッフ達に休み取らせるのが精一杯で…あたしは定休日以外、全然休めてない…。



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