今さら恋なんて…



コトン


静かにテーブルにティッシュの箱が置かれて…あたしは思わずビクン、と体を震わせた。


「…あ。すみません…よかったら…使ってください…」

斉藤さんの声も…震えていた。


きっと…この手紙の内容を…知っていたんだろう…。


「…例え…“上から二重線引かれようと、バツ付けられようと…つーの戸籍に俺の名前を載せておきたい”って彼は言っていました…。でも、そのすぐあとで…“そんなんじゃ枷をはめる様なものだ。…つーが前を向いて歩けないからやめよう”って呟いて…」


「……」


「会社も…彼が育てた後輩に後を譲って…彼は会長、という立場になっています」


「……」


「全部…1人で決めて…私も…事実を知ったのは…1ヶ月前でした」


「……」



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