今さら恋なんて…
「貴女の…お店のオープンを見届けられてよかった、って笑っていました…」
「……」
「座っても、よろしいですか?」
「……はい」
斉藤さんはあたしの向かいに腰を下ろすと、
「彼のこと…怒りますか?」
って、柔らかい声で訊いた。
「…分かりません。あたしも…自分の仕事が忙しくなると、彼のこと放置してましたから…彼から連絡が無くても…仕事をしているものだとばかり思っていたので…。だけど…あたしに“言えなかった”って言うのは…よく分かります」
「……はい」
「もっと…ずっと前に…あたし達が付き合い始めて…結婚していたら…きっと彼はすぐに手術を受けてくれていたと思うんです。…そのことは…申し訳なく思います…」
「貴女が気に病むことはありません」
「でも…」