今さら恋なんて…
あんなドン引きされるようなこと、もう二度としない、って思ってたのに…。
と、とにかく、龍哉探さなきゃっ。
“変なもの見せられた”って帰っちゃったかもしれないけど…。
あたしはベッドを飛び出し、
「りゅ、龍哉っ?」
って叫びながら勢いよくドアを開けた。
そこは昨日、居たはずのリビングで…。
その真ん中に…
「あ。起きました?おはようございます」
って、キラキラな笑顔を浮かべた龍哉が立っていた…。
「……」
帰っちゃったわけじゃない、って分かってほっとしたあたしは思わず息を吐く。
しかし、龍哉は困った様な笑みを浮かべると、
「髪の毛、大変なことになってますよ…?」
って囁きながら、あたしの前にやってくる。
「え、えっ…」
動揺するあたしをよそに、龍哉はあたしに手を伸ばして、そっと手ぐしで髪を梳かしてくれた。